フランスの農村で起こった殺人事件を中心に、嫌疑を受けた一家を守り抜こうとする老女と判事の対決を描く。製作総指揮はラルフ・ボーム、製作はスザンヌ・ウィーセンフェルド、監督はジャン・シャポー、脚本はシャポーとセバスチャン・ルーレ、原案はフランツ・アンドレ・ブルグエとシャポー、撮影はサッシャ・ヴィエルニー、音楽はモーリス・ジャールの息子のジャン・ミシェル・ジャールが各々担当。出演はアラン・ドロン、シモーヌ・シニョレ、ポール・クローシェ、ピエール・ルソー、ベルナール・ル・コック、カトリーヌ・アレグレ、ミュウ・ミュウ、ベアトリス・コンスタンティーニなど。
燃えつきた納屋評論(1)
殺人事件そのものよりも、第二次大戦で戦場となった経緯のあるこの村を大切にしようとする心理描写が面白い。家族の絆も失われるかのように、それぞれの人間が本心を打ち明けない状況。
たいした盛り上がりも見せないし、犯人を当てるミステリーとは違う。ひとつの殺人事件によって家族の本音、息子夫婦の浮気などが露呈し、一家では息子が被害者の金を盗んだことだけが罪だったのだ・・・だから損害賠償も請求できない虚しさ。これから家族はどうなるんだろう。タイトルは一家の納屋の通称だが、家族のバランスも燃えつきてしまったかのように・・・