エドワード・ストリーターのベストセラー小説から「イースター・パレード」のアルバート・ハケット、フランセス・グッドリッチのコンビが脚色、「踊る海賊(1948)」のヴィンセント・ミネリが監督に当たったドメスティック・コメディで、「大草原」のパンドロ・S・バーマンが製作する1950年度作品。撮影は「南支那海」のジョン・アルトン、音楽は「アニーよ銃をとれ」のアドルフ・ドイッチェが担当する。主演は「アダム氏とマダム」のスペンサー・トレイシー、「黒騎士」のエリザベス・テイラー、「東は東」のドン・テイラー、「扉の蔭の秘密」のジョーン・ベネットで、以下、ビリー・バーク、レオ・G・キャロル、モローニ・オルセン、メルヴィル・クーパーらが助演。
花嫁の父評論(4)
息子たちの旅立ちについては、父親の自分から言わせれば「何処となり勝手に行ってくれ、どうせなんとかなるだろう」と野生動物を自由の野に放つような感覚なのだが、
女の子については、そうはいかない。
スペンサー・トレイシーが、
バタバタとまとまる娘の結婚話に翻弄されていて、心の準備も整わぬうちに娘を手放す 健気な父親像を演じる。これがまったく可笑しみと寂しさをないまぜにした素晴らしい演技なのだ。
残り少ない時間を惜しんで娘には声をかけ、
相手の青年の前ではどうしても威厳を保ちたいし、
妻と自分との結婚を振り返っての語らいは貴重な一時。
そして相手方の両親と初めて会うことの これも半端ない緊張・・
どれもこれもフル回転でこなさなければならないわけで、そんな父親を式当日まで滋味あふれる映像で追っていくのだ。
式の当日、花嫁を見つめる父親の表情よ! 映画を観ている僕のほうが感極まって、胸が詰まってしまったではないか。(笑)
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ずっとスペンサー・トレイシーの一人語りが物語を牽引します。ついぞ脇役にされてしまう男親ですが、娘の結婚において、父親の胸中にもこれだけの大事件が起こっていたこと、
― それをよく描きだしてくれましたね。
思い起こせば、我が義父も、よくぞどこかの馬の骨(=僕のこと)に結婚を許してくれたものだと、今更ながらの感動ですよ。
で、うちの娘?
ぜったいに、ぜったいに、誰にも渡しませんぜ😤