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アンデスの花嫁 プロット 日本 09月23日 1966 台灣上映
花嫁の父 プロット アメリカ 12月25日 1952 台灣上映
花嫁のパパ プロット アメリカ 08月08日 1992 台灣上映
フランケンシュタインの花嫁 プロット アメリカ 07月11日 1935 台灣上映
鴬城の花嫁 プロット 日本 06月22日 1958 台灣上映
怪物の花嫁 プロット アメリカ 10月21日 1995 台灣上映
シリアの花嫁評論(5)
名画座にて。
日本でも昔々の花嫁さんは(決めつけてますが^^;)
一度夫の家へ嫁げば、おいそれと実家へ帰ることはできず、
今みたいに月に何度も「里帰り」なんてできなかっただろう。
そんなことを考えさせられる作品。
今作はそんな軽いものでなく^^;シリアとイスラエルの問題
を背景にしているが、とはいえ、花嫁さんがずーっと純白の
ウェディングドレス姿で境界線に留まっている珍しい作品。
なぜゴラン高原に住む花嫁がシリア国籍の男性と結婚する
ことになったんだろう…?ちょっとそこが知りたかったが^^;
好きな人の元へ嫁ぐ花嫁、それなのに表情が暗い。
見渡すと姉をはじめ家族までもが暗い。なんで?と思ったら
そうか、花嫁は嫁いだらもう二度と此処へは帰ってこれない、
そんな『無国籍』の状態にあったのだった。
妹を心配する姉役、H・アッバスがひたすら目を見張る演技。
心配ないから、大丈夫だから、、、と繰り返すお姉さんが
一番悲しそうに見えたのは私だけか。。
父や兄弟の問題も露呈されるが、ともあれテーマは結婚式。
この花嫁がアチラ側へ嫁げなければ、また果てしない手続き
(すごく待たされるらしい)の嵐が待ち受けており、家族は
何が何でも今日中に嫁がせたい!(爆)
当人には大変申し訳ないが、なんなんだ…?と思うほどの
手際の悪さ。間に入った赤十字のお姉さんも境界線を越えて
行ったり来たり…。どうしてめでたい結婚式ですら、そんな
イジワル(にしか見えない)をするんだろうかと恨めしくなる。
手続きが出来ず、何時間もその場で待たされる花嫁と一族。
そしてアチラでは花婿とその一族。
あー笑っちゃいけないシーンなのに、あまりに滑稽すぎる。
だって、こんな結婚式、観たことないのだ^^;
後半、ふと思った。ひょっとしたら。。
こうやって時間を引っ張って引っ張っていることで、花嫁は
家族との最後の時間を味わえているのだろうか。なんて。
だからラストで、もういいわ!!と云わんばかりにすっくと
立ちあがり、堂々とひとりで歩いていく姿に感動できる。
意を決し、他に関係なく、嫁いでいく娘の凛とした後姿。。
ふと振り返って家族を見る彼女の目がとてもキレイだった。
(ホントはこのくらいの決意で嫁がないといけないのよね^^;)
平和な日本では考えられない、宗教や文化・民族間の違い、あと何百メートルかで異国なのになかなか超えられない国境。。。
その中でもなんとか未来に向かって進もうとする人々の姿に、日本人にはないたくましさを感じました。
少し前に見た「キャラメル」の中に同じ台詞が出てきたのにも感激。
「結婚はスイカみたいなものだ。割ってみなければわからない…」
…なるほど。
2014.5.7
冒頭、結婚式の準備に向かう花嫁とその姉、そして姪っ子たち。
晴れの日のはずなのに、花嫁の表情は浮かない。
その映像から伝わってくる空気にも、晴れ渡った空と、姪っ子たちの楽しそうな雰囲気の中に、色濃い影がある。
そして、花嫁がウェディングドレスに着替えたとき、その理由がわかる。
今日が、姉妹の今生の別れであると。
ドゥルーズという地域は、元々はシリアだったが、イスラエルに占領された。
しかし、その住民たちはイスラエル国籍になることを拒み、「無国籍」になった。
シリアとイスラエルに国交はない。
ドゥルーズの人間が「境界」を越えて、一度シリア領へ足を踏み入れれば、「シリア国籍」が確定し、二度とイスラエル占領下のドゥルーズには戻れない。
そのドゥルーズから、シリアに嫁ぐ花嫁の胸中は……。
パスポートを手に、家族と二度と会えないことを受け入れて、国境を越えていく花嫁の表情が印象的。
世界には、こんな理不尽な思いをしている人たちがいるんだね……。
花嫁がずっと不安気なのが印象的です。
自然にそこにあるはずの家族に、外的な要因で無理やりにも楔を打ち込まれ、そしてまた今度も引き裂かれる。それをなんとかまたつなぎ合わさろうと皆がもがくけど、簡単ではなくて・・・ 確かにこういったことってどこの家族にも大なり小なりあるのでしょうけども、花嫁になることに、ここまでの決意と忍耐を強いられることは、そうないのだろうと思います。
国自体が抱える悲劇を扱う作品は、これまでにも多く見てきましたけど、それらの中では、かなり無理をせず、そして誇張もせずに、普通の日常の苦悩を描いていることが好感を持てましたね。
花嫁さん、今、どうしてるかなぁ・・・