ウェストコースト・ロックの聖地、ローレル・キャニオンにスポットを当てたドキュメンタリー。1960年代半ばから70年代にかけて、アメリカ西海岸を拠点とするミュージシャンたちによって生み出されたウェストコースト・ロック。アコースティックを基調とした演奏スタイルと、叙情的なメロディやハーモニーを重視したサウンド作りで、日本でもブームを巻き起こした。ロサンゼルス中心部にも近いローレル・キャニオンには、ザ・バーズ、ママス&パパス、イーグルスなど多くのミュージシャンが引き寄せられるように移り住み、数々の名曲を生んだ。膨大なフィルムライブラリーから厳選された貴重な映像や写真と共に、アーティストたちがその歴史と功績を振り返る。監督は「駆け足の人生
ヒストリー・オブ・イーグルス」で注目を集めたオーストラリア出身のアリソン・エルウッド。
ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロック評論(1)
多彩なミュージシャンたちのライブ映像などがふんだんに、しかもなかなかの高音質で収められていて、監督自身もきっと大の音楽好きなのだろう。それに、1960年代半ばから70年代にかけての当時を振り返るミュージシャンら本人のインタビュー音声も多いが、当然老いているであろう彼らの現在の姿を写さないのは、ファンを失望させないための適切な配慮だと感じた。
音楽をよく聴いていた若い頃はどちらかと言えば英国ロックに傾倒していたので、手元のLPやCDにはウェストコーストロックに分類されるものはほとんどないけれど、CSN&Yのライブアルバム「4ウェイ・ストリート」のアナログ盤に久しぶりに針を落としたくなった。