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BILLIE ビリー評論(11)
生育歴の最初がそもそも悲惨だったのを知った。彼女は「不幸である時にしか幸せを感じない」運命にあったのだと思う。だからこそ、歌の中の「言葉」が真実として人々に届いたのだろう。偶々天賦の歌の才能があったことで歴史に名を残したけど、同じ時代を生きた無名のビリー・ホリデイたちにも思いを馳せて見た。
個人的体験としては、昨日見た「ビリー・アイリッシュ」(2001年生まれ)との対照がすごかった。
1959年に44歳で亡くなったビリー・ホリデーの生涯を彼女の歌の歌詞と大勢の友人、関係者のインタビューの証言をかぶせて描かれるドキュメンタリー風映画でした。彼女の歌は彼女の身近の人ことを感じさせるものが多い。シンガーソングライターといえるも、当時は一曲300ドル程度の契約で、著作権もなく、搾取されていたといってもよいだろう。
Strange Fruit の衝撃。
Don't Explain の重み。
ビリーのファンで伝記作家のリンダは膨大なインタビュー音源を残して、1970年に不審な死にかたをしている。作家でありながら、遺書もなく、毎晩欠かさなかった顔パックをして、パジャマ姿で、飛び降り自殺として処理された。リンダの姉の証言には当時(公民権運動後)のワシントンDC警察の闇を感じざるを得ない。ビリーの麻薬捜査担当官はいかにもイタリア系マフィア風。
メリーランド州のボルチモアで生まれで母子家庭で育ったビリー。父親はバンドマン(ギタリスト)だった。15歳の若さですでにニューヨーク、ハーレムの非合法クラブでのステージを踏んでいたが、故郷のストリートでは少なくとも13歳で売春をしていた。しかし、それは彼女がふしだらなのではなく、極めて刹那的に生きていたからだと語られる。刹那的とはその頃、その場所では当たり前のことだったと言いたいのだと理解した。禁酒法時代のハーレムのクラブには裕福な白人が押し掛けていた。純粋にクラブの音楽ショーだけを目当てに訪れるものは少なく、ショーがはねたあとの買春目当てのものがほとんどだったらしい。
南部の州での地方営業でのエピソードはグリーンブックを思い出す。
彼女を見出だしたいかにも紳士然とした白人のレコード会社のディレクター(ジョン・ハモンド)とも寝たとの証言。当時、彼女は18歳。ショービジネスマンの役得にしても、黒人への差別はありながら、することはするみたいな話しには嫌悪感を禁じ得ない。多数の恋人の多くはバンドマン。優しい音を出すアーティストにとくにぞっこんだったビリー。本当は刺激ではなく、優しさに餓えていたのではないかと思った。しかし、年をとってからはとっかえひっかえ。最後のレイ(ヒモ)との関係はDVがメイン。それゆえ、マゾ的気質や精神病的気質、衝動性のせいだとするまとめかたにはちょっと違和感というか疑問を感じてしまった。アルコールや大麻、コカイン、ヘロインもやって、痩せ細って、年齢不相応に老けてゆく映像は痛々しかった。
時代はちょっと違うが、大腿骨頭壊死(原因はアルコール)を発症し、52歳で亡くなった美空ひばりと似ているなぁと思ったりした。
リンダが亡くなった年は1970年、38歳の若さだった。ユダヤ系で美人。プロポーションも抜群。ビリーの取材を通して、大物ミュージシャンとも親しくなったリンダ。いい女が志し半ばで亡くなるのはとても忍びない。
生まれも境遇も全く違うリンダがビリーに共鳴し、しかしながら、なかなか伝記を仕上げられなかったのはリンダの完璧を希求する性格が災いしたかもしれないと姉は言う。どちらも変わり者と言ってしまうのは簡単だけれども、この二人の鎮魂にこの映画の果たす役割はとても大きいと思った。合唱。
彼女の伝記を書こうと8年も取材中だった白人女性ジャーナリストが謎の死の後に残した関係者のインタビュー録音や取材メモで作られた素晴らしいドキュメンタリーで、これまで見たどんな伝記映画よりも素晴らしかった。このジャーナリストは黒人公民権運動を見て、その前の時代に生きていたビリーの伝記を書くことに没頭したようだ。
南部での黒人へのリンチを歌った「奇妙な果実」は初めて聞いたが、凄い曲である。証言も生々しく、黒人差別の実情や、ドラッグとセックス漬けの日々まで明らかにされた、文字通り丸裸の伝記だった。ビリーその人も凄いが、一人の人間の人生にここまで肉薄し、文字通り命がけの取材をした記者の執念に感服した。
ドキュメンタリー作品として
世に出してくれたことに感謝
取材していたジャーナリストの謎の死が
この時代の闇を感じさせる
悲しみ、苦しみ、悔しさ、怒り、快楽…
極限状態まで追い込んで
身も心もすり減らしながら
情感たっぷりに
歌い上げていたビリー
観客を魅了することができても
切なすぎる
晩年の痩せこけた姿が痛々しかった
何に耐え、何を求め、何が得られ、何が得られなかったのか?
酷い時代の話ではなく、そのまま今に続く話なのだ。