洋上の石油採掘船の乗組員たちが、謎の巨大生物と死闘を繰り広げる姿を描いた3Dアクション。1970年代、石油ボーリング船エクリプス号が東シナ海の日韓共同開発区域「第7鉱区」で調査作業を行っていた。しかし、ある日突然、本部との通信が途絶え、海の上で孤立した乗組員たちが次々と何者かに襲われていく。やがて巨大な謎の深海生物が姿を現すが、その正体には驚くべき秘密が隠されていた。「光州5・11」のキム・ジフンがメガホンをとり、「TSUNAMI ツナミ」のユン・ジェギュンがプロデュース。主演は「デュエリスト」「TSUNAMI ツナミ」のハ・ジウォン。
第7鉱区評論(15)
石油が眠っていると目される第7鉱区において、発掘作業に全てを捧げている主人公。掘り続けていた海底から出現したのは未知の生物。その余りの美しさに発掘施設の中で研究してみることにしたのだが、実はこの生物・・。
韓国が日本に送り込む初の3D作品。表向きのパッケージを素直に捉えるならば、非常にシンプルなストーリーと精巧なCG技術を駆使したモンスターパニック映画として完成している。
石油開発という世界レベルで頭を抱えている厄介な問題を前提にして本作を考えれば、挫折、恐怖、抑圧の中で苦しみながらも、前進をやめない勇ましく、果敢な韓国民の勇姿をパニック映画の中にさりげなく落とし込んだ「極めて、韓国らしい」映画という見方が出来る作品でもある。
しかし、何よりもこの作品を魅力的に彩っているのは本作の主人公を演じた女優、ハ・ジウォンの圧倒的な存在感としなやかさにある。一見、銃を何発もお見舞いしても屁のカッパである生物と、大勢の人間の戦いという構図が見えるのだが、鑑賞してみれば分かる様にこの映画、「女優映画」である。
パニックという明解な舞台の中で、可憐な涙に、爽快なバイクさばき、重厚なガンアクションに、タンクトップの見事なプロポーションと、徹底してハ・ジウォンの魅力と格好良さをこれでもかとさらけ出すことに全力が注がれる。
粘着物質モンスターがポイントの映画のはずが、いつのまにやら女優の独壇場のような様相をみせる。「私、格好良いでしょう!!」と言わんばかりの声高な暴れっぷり。これが新人の美人女優なら腹も立つが、韓国映画界を背負う実力派女優だからこそ、観客は惹き付けられる。見てしまう。ドキドキしてしまう。
韓国映画界の至宝、アン・ソンギさえ押しのけて露骨に輝く主演女優の力強さ、可能性が活きたからこそ生まれた興奮度最大限のアクション大作。韓国という国の役者を活かすセンスは、決して安く見てはいけない。いや、我が国は大いに参考にすべき試行錯誤と、役者への強い愛着がある。
パニック・アクションものとすれば登場人物の配置なども定石どうりで、まぁ型にはまった作り方なのだが・・・。
寒江の怪物はなんといっても、ソン・ガンホの存在が大きくて魅力があったから楽しめたと思う。しかし、この第七鉱区には主演女優さんには申し訳ないが知らない人で、脇を固める人たちもイマイチ魅力が無い。
それでもって怪物の登場の仕方も凡庸でインパクトに欠ける。
ただ、すごくタフで執拗に主人公を襲うのだが・・・。
舞台は良いのだけれど、100%その良い舞台が生かされているとは思えない。
石油掘削に情熱を燃やす人たちのドラマも教科書どうりで底が浅い。
もっと斬新さが欲しかったネ。
3Dというのがミソなのでしょうか、アクションがかなり多いです。ハ・ジウォンの魅せるアクションはなかなか見応えがあります。それは流石の一言です。
少し前にハ・ジウォン、ヒョンビン主演の「シークレット・ガーデン」という韓流ドラマを見ていましたが、そのハ・ジウォンは可愛い役所でした。しかし、本作を鑑賞して改めて格好いいと思いました。
そのわりにはストーリーはかなり単純で、それほど驚く事はありませんでした。怪物の初登場シーンの撮り方もあっさりしていたので、扱い方が軽く感じられました。ストーリーを複雑にする必要はないと思いますが、アクションばかりに気をとられ過ぎている感じは否めないので、両立させればもっと満足のいく作品になったのではないかと思います。
韓国のモンスター・ムービーと言うと傑作「グエムル」を思い出すが、こちらはとことんB級印。
まるでB級傑作「ザ・グリード」を彷彿させる。
このモンスターが見た目もグロく、絵に書いたような“ザ・モンスター”。
ターミネーターのようにしぶとくしつこく、その誕生の背景には人間のエゴがあり、一モンスターとしてきちんと“お約束”を踏まえている。
でも、この映画の最大の見所はモンスターではない。そのモンスターと戦うヒロイン、ハ・ジウォンである事に異論は無いハズ。
タフで男勝りでタンクトップ姿がセクシー。バイクも乗り回し、恋人には一途。
アクション・ヒロインに必要な要素を全て兼ね備えている。
周りの男たち? 腹黒い奴とか薄情な奴とか口だけで臆病な奴とか、頼りない情けない奴らばかり。
その分、ヒロインの格好良さが際立つのだ!(笑)
正直、何かを得られる映画ではないけど(笑)、タフな美女vsモンスターという、これ以上ない王道B級路線を気軽に楽しんだ者勝ち!