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モンドヴィーノ評論(1)
序盤はちょっとしたサスペンス仕立て。「モンダヴィ事件とは何なのですか?」とインタビュワーが次々と人に尋ねる様子でどんどん引きこまれていく。フランスのアニアーヌ地方において、アメリカのモンダヴィ社がワイナリーを子会社化しようとしたこと。村長が中心に大企業参入を阻止した事実を愉快そうに語られていき、ワインビジネス界におけるファシストだと皮肉ってるところは面白かったです。とにかく、なんでもかんでもグローバリゼーションなんてやってはいけないんですね。そうやって考えると、ホリエモンもIT界のファシストなんだなぁ~と、頭の中に3畳の独居房映像が思い浮かぶ・・・
このモンドヴィ事件を第一のテーマとして進み、次は1980年代から登場したロバート・パーカーが中心。ワイン評論家の登場だ。彼のつける点数のおかげで、業者の方針も左右され、売れるか売れないかも決まってしまうほど影響力のあるもの。「美味しんぼ」に出てくる父ちゃんみたいなものです。
日本においてもボジョレー・ヌーボーの話題や、自宅にワインセラーを作ったセレブの登場、赤ワインの健康ブームなどもバブル経済期あたりからワインブームが起こったように思う。だけど、このドキュメンタリー映画を観ると、同じ畑で採れたブドウでも場所によって味が違うんだとわかるし、ワインの利き酒なんてかなり適当なものじゃないかと思ってしまいます。しかもアニアーヌの村のワインは世界に向けての出荷はされてないんだし、現地で飲むことしかできないシロモノなのです。
やっぱりワインは楽しく味わうもの。吾郎ちゃんが演じた「ソムリエ」なんて、ウンチク豊富だったのでフランス料理店で飲みたくなったものです。このワインにはモンティーユ父娘の確執があるとか、フレスコバルディは700年の歴史があるけど大資本に負けちゃったとか、ヨーロッパをイメージしながら酔っ払ってみたい・・・
男がパンツ一丁でブドウを踏み潰しているシーンもあったのですが、あの、はみ出してるんですけど・・・
【2006年2月映画館にて】