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ブルーサンダー評論(8)
ワルがいかにも意地悪そうな面構えなので分かりやすいのですが、中身は意外と凝っていると思いました。
そもそもの目標が民間人の犠牲も厭わない大雑把な治安維持だからなのか、ヘリはもちろん、戦闘機まで登場します。ぶっ放しレベルに倫理観はゼロ(^_^;)。
ベトナム戦争帰還兵でもあるFrankは未だ悪夢にうなされているのですが、太陽を背景に向かってくるブルーサンダーは”Miss Saigon”を彷彿とさせ、警察ヘリや軍用ヘリと飛び回る姿はLAにやって来ちゃった「地獄の黙示録」という感じです。
Frankがヘリチェイスなら、恋人Kateはカーチェイスで縦横無尽に暴走(^_^;)。超タフなカップルでした。
市街地でこんなにヘリを飛ばして撮影できたことに驚き。撮影も内容も現在なら無理ではないかと。4Dで鑑賞できたら楽しそうです。
1980年代初頭でこれだけのヘリが完成していたとしたら、今では世界中が盗撮盗聴の対象となっていても何ら不思議ではないです。
ロサンゼルスオリンピックの頃が、まだ人種差別をして当たり前という雰囲気であったことにビックリ。
Little Tokyoだから誤爆も仕方ない?!
最後に少し贔屓にしてくれるから許します(^^)。
LAの住友銀行が一瞬映りますし。
マルコム・マクダウェルの悪役ぶりもハマってます。
何も考えずに見れる映画です。
82点。
本篇も素晴らしいですが、DVD化に際して制作されたと思しきメイキング"Ride with the Angels"が白眉。監督のジョン・バダム、脚本のダン・オバノン(実は殆ど名義貸しだったことをあっさりカミングアウト)、主演のロイ・シャイダー他のインタビューと豊富なオフショットで綴られる至福の44分。当時の撮影裏話も驚きですが一番驚いたのは、ジョン・バダムの前髪が30年前から全く変わっていないこと・・・その秘密は私の心の中にしまっておきます。
いろんなことが出来る新型高性能回転翼機が登場する。子供の頃に初めて観た時には、本当にこんなことが出来るようになったのかと思いこんでいたが、実際は多くが創作だった。
だがそんな高性能なおもちゃを手に入れて、覗きというくだらないことにその能力をひたすら使うという前振りをしておいて、その後は一転して陰謀の現場を覗くという本筋の話に展開していく。ただ陰謀そのものがどんなものなのか・どんな人達がどんな利益を求めて暗躍しているのかということは詳しく明らかにされず、陰謀のためにヘリで戦うという活劇が結局は中心となっている。
その活劇も大都市の市街地上空で躊躇なく誘導弾も銃弾も撃ちまくるという無茶苦茶な展開になる。こんなことをしていたらどれだけの損害が出るのか、そんな命令が出るとも思えず現実感がない。ヘリがすぐ近くにいてもその音に警官が気がつかないとか、他にも色々と緩さが目立つ話だった。
ただしヘリの操縦の場面は面白い。ちなみに回転翼機の宙返りは現実でも可能です。