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03月22日 台灣上映
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古井戸評論(1)
水を飲むにも10キロ歩かねばならず、掘っても掘っても空井戸ばかりの山深い村。グランドキャニオンでロケしたハリウッド映画で見られるような光景の連続だ。若い者もいなくなるような過疎地なのだろうけど、親が決めた婿入りの話なんて、男女入れ替わればよくある話なのに、貴重な働き手が必要とされるほど厳しい土地なのだろう。
駆け落ちという手段も残されているが、年老いた家族を見捨てるわけにはいかない。迷っているときに井戸の爆破で父親が亡くなり、覚悟を決めた旺泉。やがて、村でもリーダーシップをとるほどの男になり、ひとつの井戸をめぐっての隣村との争いがすごい迫力。どちらの村の男も総出でケンカするのだ。雪が積もったら、それをかき集める作業なんてのも涙ぐましい努力。
やがて年月が経ち、技術を仕入れてきたインテリたち。数人で井戸掘り作業をするが、突然の崩落事故。仲間の旺才が死んで、閉じ込められたのは旺泉と巧英の二人だった。「井戸掘りを続けてきたのはあなたのため」と感情を抑えきれなくなった二人はようやく結ばれる。
水が出なくても簡単に引っ越すことはできない。次世代には井戸を掘らせるなと懸命に訴える旺泉だったが、県からの援助にもかかわらず金が足りない・・・巧英が嫁入り道具を売り払って村を出て行くという決断によって村が救われるのだ。彼女の苦渋の決断を映像化してほしいところでしたが、こういう終わり方もいいのかも。