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宇宙空母ギャラクティカ サイロン・アタック評論(1)
米エンタテイメント情報誌“Entertainment Weekly”は2007年5月、「この25年間で最高のSFドラマ・ベスト25」の第2位に本作を選出、アメリカ最大のTV誌“TV Guide”が2006年の最優秀ドラマ10本の1本に選出し、「SFドラマだけでなく、現在放送中のあらゆるドラマの中で最高傑作!」と絶賛するなど、 SFファンのみならず、米メディアをも魅了し、今なお多くの注目を集めている作品のDVDが発売となりました。
先週試写会を見てきましたので、後ほど作品を紹介します。
以下はまだ、書きかけです(^^ゞ
全滅させられる宇宙艦隊。逃げ惑う残された5万人の人類と無防備な船団。そしてそれを守るのはたった一隻の宇宙戦艦 『ギャラクティカ』号。
絶望の中に13番目のコロニーとして太古あったと言われている伝説の星「地球」目指して逃亡の旅に出る話となると、なにやら『宇宙戦艦ヤマト』の話に近いなぁと思ってしまいました。
この作品では、スターウォーズと違って、戦闘シーンは少なめに、むしろ『24』のような緊迫した中で浮かび上がる人間ドラマに力を入れてています。だから見応えがぐ~とあるわけなんです。
絶望的な状況ときこそ人間心理や性が浮かび上がってきます。死に直面して生を実感する命のドラマなんです。特に戦闘第一とするアマダ艦長と人命第一とする息子であり部下でもあるアポロと相克と和解はグッと来ました。
また、現代社会の闇を映し出す寓話でもあります。
『ギャラクティカ』号が敵の攻撃から逃れられたのは、時代遅れのローテク艦であったことが幸いし、ハッキングによる防御システムの破壊とは無縁に生き残ることが出来たことはね何とも皮肉なことかと思いました。
ハイテク化された各艦とは、情報化社会の脆さの象徴です。そして人類が生み出し、自らを破滅に追い込む機械生命体サイロンとは、生命をもてあそぶ、行き過ぎたバイオ研究に対する警鐘ではないでしょうか。
サイロンは、単なる凶悪ロボットではありませんでした。それは、経済効率や享楽を追求する人間から虐げられてきた存在なのです。飽くなき欲望の果てに、その「報い」が天から降り注ぐのです。「報い」という点では、映画『ミスト』にも繋がる終末論的なテーマです。単純な善悪バトルではなく、西洋の文化には、必ずこのような「究極の裁き」というテーマが含まれています。神の領域を侵した人間が救済される意味を問いかけながら、残された船団は逃げ続けているのです。
その姿は「約束の地」を目指す旧約聖書の世界そのものでもあると思いました。
そして仕掛けに満ちた巧みなストーリーテーリングです。
新型のサイロンは人間そっくりに化けることが出来ます、そんな設定はこれまでのスペース・サーガにはなかったことです。
作品中、したり顔で作戦に参加している誰かが、実はサイロンなのですが、怪しそうな人物が二転三転し、いったいだれがサイロンなのか全く気がつきませんでした。
ラストで明かされるサイロンはあいつだ!ということが分かったとき、その意外性に驚きました。この仕掛けは、後半すごく緊張感を生みました、
人間に化けられるサイロン。このサーガの重要なスパイスとして効いていましたね。