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白バラの祈り ゾフィー・ショル、最期の日々評論(6)
ナチ政権下のドイツで、ドイツ人大学生によるレジスタンス組織「白バラ」があることを、恥ずかしながらこの映画で初めて知りました。
物語は、彼らがヒトラー批判のビラを配り、逮捕される所から死刑執行までの数日間で構成されています。
主人公となるゾフィーは、己の命と引き換えに民主主義という己の思想と信念を貫き通します。つまり、死刑覚悟で裁判中にもヒトラー批判を繰り返します。
恐怖政治下では、声を上げない人が圧倒的多数ですが、彼女の様に臨界点を超えてしまい命を落とす人も少なからず存在します。
この様な行為自体、今の日本では考えられないことかと思いますが、歴史は繰り返されることを肝に命じて、彼女達が命を懸けて勝ちとったものを絶対に手放してはいけないと強く思いました。
とにかく内容が重い!
ドイツは独裁政権、歯向かえば即死刑!
そのリアルをこの映画では表現していた。
ただストーリーは予想通りというか…
あっと驚くような展開がほしかった!
話はそのまま進んだような感じ。
もっと色んな視点で描いてほしかった!
戦時中に実在したナチス抵抗勢力の組織「白いバラ」の主要メンバー兄妹、特に21歳の妹Sophieの視点で描かれた作品。
若干21歳にして取調室でもこの貫禄。
最初はゲシュタポを見くびっているのかと思いました。
泣きつけば幾らでも情状酌量されそうなのに「若き女子大生」は封印し、毅然とした態度を崩しません。
逮捕から3日間の取り調べで供述書にサイン。
4日目には無法裁判で死刑判決。
その日の夕方5時に処刑…。しかもギロチン(>_<)。
ナチス流裁判で、真っ赤な衣装を纏ったFreisler裁判官の怒号に唖然とします。きっとよく似せているのでしょう。そして座っているだけで弁護してくれない弁護人…。
兄Hansの答弁後、傍聴人らに気まずい雰囲気が流れる所が面白いです。みんな頭では分かっている、でもこんな狂気の世界を生き抜くには黙っていなければならなかった…。
大半が保身の為に間違った道を進んでも、何が正しいのか方向性を見失うことなく、そしてその信念のためなら命をかける価値があると行動した若き学生らの勇気が素晴らしいです。
両親との面会シーンは泣きました(T_T)。将来ある子供達を救えない悲痛な思いと、正しいことのためなら堂々としていなさいと処刑台に送り出せる凄さに言葉を失います。
Christophの子供達も父親を誇らしく思っていることでしょう…。ナチスでの職務内容によっては、遺族も年金を受け取れない場合があるのだそうです。色々学ぶことが出来ました。
主人公の信念を貫き通す姿勢に自分を重ねながら鑑賞していたら(予想通り)バッドエンドで、私の心ハートブレイク。
ヒトは未来に向かって理想を掲げることもするし、過去の出来事や歴史から学ぶこともする。
保身に走ることの出来ない自身の性質を突きつけられた、教訓にもなった一作。