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蟻の王 プロット イタリア 11月10日 2023 台灣上映
花と兵隊 プロット 日本 08月08日 2009 台灣上映
二等兵物語 女と兵隊・蚤と兵隊 プロット 日本 11月15日 1955 台灣上映
蟻の街のマリア プロット 日本 12月07日 1958 台灣上映
俺は銀座の騎兵隊 プロット 日本 06月04日 1960 台灣上映
小さな兵隊 プロット フランス 12月31日 1968 台灣上映
蟻の兵隊評論(8)
元残留兵の奥村和一さんの苦労話に心を痛め、また国の残酷さに愕然としました。
ただ、16歳の頃、日本兵たちに輪姦されたという中国人老婆の行き過ぎた話の真偽が定かではありませんでした。
ある日、日本兵が村に現れた。7人の日本兵が、母親から中国人少女(16歳)を奪い、空地へ連れて行き、踏んだり蹴ったりベルトで殴り倒し、顔までパンパンに腫らした後、とことん輪姦する。しばらくして、身代金を中国人の親に要求する。 彼女の父親は、家畜まで売払い、娘を返してくれと身代金を工面したが、なかなか親元に帰さない日本兵。父親は、「娘の身体は、既に悲惨な状態になっているので、また元気になったら差し出すから、どうか一旦返して欲しい」と泣いて土下座する。というような話。
彼ら日本兵にも、親や子はいたであろうから、ここまで残虐なことをしたのか疑問がわく。中国人は反日教育を受けているし、誇張することも嘘をつくことも平気なところがある大陸民族。また証言のための出演料を何かしらもらえたのかもしれない・・・と考えれば、どこまでが信実なのか、または脚色なのか、判断が難しい。
ただ、国のために行きたくない戦争に駆り出された日本兵たちの人生を知ることは大事です。日本人として、観ておくべき映画だと思います。
軍属であったことを認めてもらえない怒り、軍属であったが故に行った残虐行為への悔悟と正当化、残虐行為をさせる軍隊への憎しみ。
過去への追及には、やっちゃいけないことだったけどやむを得なかったんだよね、ということを確認したい気持ちが勝ち気味に感じる。それも人間の業なんだろうけど。
この映画は、奥村和一という老人に密着したドキュメンタリーである。映画を見ていくうちに、元日本兵であり、残留兵士であった奥村さんという人の人間像が明らかにされていく。その途中で慰安婦問題、靖国問題についても触れられている。私は本当の戦争を知らないが、どのような現場であったのかは、中国の人の説明や、奥村さんの言葉から十分想像が可能である。
奥村さんは戦争は終わったというのに、国の命令で残留兵士として戦い、多くの仲間を失った。裁判所は、残留兵士を認めることはポツダム宣言に自国が違反したことになるために都合が悪いため、その訴え退け、兵は自ら志願して残ったこととして処理しようとした。奥村さんは中国に赴く。そして共産軍と戦った現場でこう言った。「あそこで、仲間が『天皇陛下万歳』と言って死んだのです。なんで志願して行った人間がそんな事を言って死ぬのですか‼︎」。奥村さんの抱える怒り、その苦悩の大きさといったら、計り知れないものがある。
元日本兵の多くが振り返ることを憚られる自身の戦争体験に真っ向から向き合い、自ら答えを出そうとした奥村さんに、私たちは敬意を表さなくてはならない。そして、奥村さんのような、忘れまいとする強い態度でしか、きっと、これから来る戦争を避ける事は出来ないのだ。