「ファンクの帝王」として音楽界に君臨し、アーティストだけでなく、ビジネスマン、黒人の権利を求める活動家としても活躍したジェームス・ブラウンの足跡を綴ったドキュメンタリー。本作では彼の権利を管理する「ジェームス・ブラウン・エステート」の全面協力により、これまで未公開だった映像や写真が多数登場。さらにメイシオ・パーカーらバンドメンバーなどの関係者や、「パブリック・エナミー」のチャックDらジェームスに影響を受けたアーティストたちのインタビューなどからジェームス・ブラウンの人物像に肉薄していく。伝記映画「ジェームス・ブラウン
最高の魂(ソウル)を持つ男」に引き続き、ミック・ジャガーが製作を担当。監督は「ヤバい経済学」「ゴーイング・クリア
サイエントロジーと信仰という監禁」など、社会派ドキュメンタリーを数多く手がけるアレックス・ギブニー。
ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン評論(9)
その回想に相当する映像を交互に
組み合わせて、
キャリア初期からピークまでを
深く詳細まで描き出したドキュメンタリー
クライド・スタブルフィールドの
ファンキードラマーのブレイクビーツが生まれた経緯の回想!
10代の
ブーツィー・コリンズのライブ映像!
面白い!
分からないのにも関わらず、私には「I am JB!」と叫びたくなる瞬間が幾度かあった。
例えば。大学の学生寮において、白人と黒人の寮を分けて欲しいと黒人から要求された、という白人男性との談話のくだり。JBは強く反発した。
差別により分断された状況を放ったまま、当事者の自由意思を尊重するかのような論法を私は受け入れない。まさに私の思っていることを代弁してくれていた。
「格下に見るな!」成功して金持ちになったから認められるわけじゃない「21歳から俺は一人前だ!」
人間の経験は、その人の内なる世界の人々(同胞であり他者)の経験なしではあり得ない。内なる世界の他者とつながっているからこそ人間なのだ。もしそのつながりが無ければ、人間は何者でもない。
人間とは実に複雑で愛しいものだと思う。
この映画をミックがプロデュースしているということにまた大きな意味を感じ、感動した。
全盛期の60年代のパフォーマンスを主に描いているのも個人的には良かった。
教授みたいなのを言いくるめる攻撃力が絶大でステージに上がる客を宥める冷静なカリスマ性と必見な映像が盛り沢山。
何といってもスクリーンで繰り広げられるパフォーマンスが圧巻で格好良くホボLIVE映像だけでもってな位に凄まじい。
存在はもちろん知っている。
でも生い立ちや背景は知らない。
その程度の知識で観ると、ジェームス・ブラウンの曲を全部聞きたくなるし、過去に出演した番組を追いたくなる。
貧しかったため、強盗で逮捕され刑務所にいたとは知らなかった。
最初からバンドを組んでいたわけではなく、元からあったバンドにボーカリストとして迎えられたのも知らなかった。
どんどんバンドメンバーを増やしてドラマーが4-5人いたのも知らなかった。
ドラマーが多すぎて、ドラマーの二人がいじめて3人を辞めさせた話にはちょっとクスっとしてしまった。
圧倒的な存在感とパフォーマンスをするジェームス・ブラウン。
人を信じない・信じれないジェームス・ブラウン。
スーパースターで破天荒なジェームス・ブラウン。
現代のアーティストでジェームス・ブラウン的ポジションは、ブルーノ・マーズくらいしか浮かばなかった。
ブルーノ・マーズのパフォーマンスの原点も見れた気がする映画だった。