大恐慌時代のアメリカの田舎町を舞台に、少年と祖父の心温まる交流を描いた感動作。監督は「摩天楼を夢みて」のジェームズ・フォーリー。製作は「ブラック・アンド・ホワイト・イン・カラー」のアーサー・コーン。製作総指揮はウィリー・ベアーとデイヴィッド・コーダ、そしてTVシリーズや「サイコ」の脚本家として知られるジョゼフ・ステファーノ。脚本はステファーノ。撮影は「摩天楼を夢みて」のファン=ルイス・アンキア。音楽は「チェンバー
凍った絆」のカーター・バーウェル。美術は「摩天楼を夢みて」のジェーン・マスキー。編集はハワード・E・スミス。衣裳はクラウディア・ブラウン。主演は「フェイク」のアル・パチーノ。共演は「訴訟」のメアリー・エリザベス・マストラントニオ、全米から集まった730人のオーディションから選ばれたジェリー・バローンほか。
天国の約束評論(2)
祖父と孫とのやりとりを通して、
大恐慌時の庶民の生活や、祖父と子の愛情を描いた映画。
全体を通して不思議な空気が流れていて、雰囲気が良い。
ただ、難しい。
登場人物の感性が独特なので感情移入がしづらい。
祖父の過去の過ちを祖父に代わって孫が謝りに行くとか、
そういう発想すら浮かばない。
大恐慌時代を生きる少年の一日をのびのびと描く。
凝縮されたその一日にはお金を稼ぐ大変さを知ったり、貧困と飢えに苦しむ現実があったり、死を目のあたりにしたりして衝撃的なたくさんのことが起きるのだけれども、観ていて衝撃が強くない。実際、大人たちが苦しんでいても、少年は映画に行くことに夢中だ。何があってもまだそれらのことをしっかりと認識できていない年齢だからなのだろうか、結局少年はずっと無邪気なままじゃないか。大恐慌時代の一日を振り返り傍観しているだけ。
登場人物たちの演技や演出は悪くない。けれど、この少年の一日を観ていてもこれだけのことで終わりなのかという思いが残り、物語に物足りなさを感じた。