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スパイの妻 劇場版評論(4)
1940年の「太平洋戦争前夜の神戸」が舞台の中心となっていますが、この舞台や美術、装飾などが意外に凝っています。これは、製作にNHKがかかわっているため、割と豪華で緻密な撮影を敢行することができたようです。通常の作品では雑音が入ったりして「アフレコ」で後から声を入れます。ところが本作では、メインキャストは撮影時のままの声をそのまま使っていて、それがリアリティの源泉にもなっていました。
貿易会社の社長に扮するのは高橋一生で、映画のタイトルにもあるように、ちょっと謎な感じの人物を飄々と演じています。
そして、その妻に扮する蒼井優は、夫の「謎」に翻弄されながらも、高橋一生と「騙しあい」を繰り広げ、その怪演が見どころです。
さらには、蒼井優が扮する聡子を心配すると同時に、国家への忠誠を守らなければならない憲兵に扮する東出昌大も緊迫感のあるシーンを見事に演じ切っていました。
独自性もあり、歴史の闇に迫った意欲的なサスペンス映画だと思います。
元々は今年6月にNHK BS8Kで放送された同名ドラマを、劇場版としてスクリーンサイズや色調を新たにし、1本に再編集したものです。物語の舞台は太平洋戦争前夜、1940年の日本。相反するものに揺さぶられながら、抗えない時勢にのまれていく夫婦の愛と正義を賭けた様を描いています。
ロケ地、衣裳、美術、台詞まわし、すべてにこだわったというだけに一級のミステリーエンターテインメントに仕上がっていて、これまで黒沢清監督が手掛けてきたものとは一線を画すようなテーマ、物語とも言えますが、8K・スーパーハイビジョン(超高解像度のテレビ規格)撮影によるその映像表現には舌を巻きました。
脚本には「寝ても覚めても」の濱口竜介、「ハッピーアワー」の野原位と海外で評価された才能が参加し、音楽は「ペトロールズ」「東京事変」で活躍するミュージシャンの長岡亮介が手掛け、黒沢監督よりも若い世代との化学反応を起こしています。そして、美術の安宅紀史、衣裳の纐纈春樹が再現した昭和初期の世界観も見どころのひとつです。
主演は、テレビドラマ「贖罪」、映画「岸辺の旅」で黒沢組に参加している蒼井優。「ロマンスドール」に続いて高橋一生が蒼井と夫婦役を演じ、ふたりの心情の変化を繊細に表現。憲兵の分隊長を演じた東出昌大とともに確かな存在感で監督の演出に応えています。
黒沢監督は最初から劇場公開も視野に入れて、映画として作り上げていることがうかがえます。スパイものというジャンルの枠組みのなか、超高解像度の撮影でどこまで登場人物の心情を表現できるのか、光と影(闇)を意識し、これまで以上にあえてクラシカルで様式的なリズムに則った演出は必見です。
ダンナ様が好きすぎて一芝居打ったのに、逆に騙されてしまう彼女。
でもそれは本当に騙されたのか。
2人が信念を持ったまま生きる道はこれしかなかったのか。
貧富の差が激しい頃の日本の上流社会をこの目で見てみたくなる映画。