宇宙怪獣ガメラ
プロット
日本
03月20日 1980 台灣上映
ガメラ対深海怪獣ジグラ
プロット
日本
07月17日 1971 台灣上映
宇宙大怪獣ギララ
プロット
日本
03月25日 1967 台灣上映
宇宙大怪獣ドゴラ
プロット
日本
08月11日 1964 台灣上映
大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン
プロット
日本
04月17日 1966 台灣上映
大怪獣ガメラ
プロット
日本
11月27日 1965 台灣上映
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ガメラ対宇宙怪獣バイラス評論(6)
捕らわれた正夫とジムは宇宙船に連れられて、ガメラには脳波コントロールされて、地球を攻撃させるのだ。短絡的な上に、コントロールされたら、人質はもう必要ないという突っ込みどころもある。しかし、地球は2人の人質のために宇宙船を攻撃できない。そのため国連の決定は降服することに・・・
黒部ダム破壊、東京タワー破壊、とにかく前3作のフィルムをそのまま利用した映像が多すぎる。正夫が考案した方位磁石の通信機も安っぽいし、金のかかったところは小型潜水艇だけなのか・・・。バッテリーのプラスとマイナスを逆にしたイタズラを基に、ガメラのコントロールのリモコン装置を逆にして?電流が逆に流れれば、命令も逆に伝わるという発想がすげー
シリーズ4作目。1968年の作品。
本作から昭和ガメラは本編も特撮も見てはっきり分かるほど質落ちに。
まず、本編。
前作までは地球を舞台に一応それなりに大人も見れる話だったが、突然の路線変更、異星人による地球侵略モノに。
…いや、ゴジラだって『三大怪獣 地球最大の決戦』『怪獣大戦争』で宇宙色になったが、それでもまだまだ特撮SFの面白味があった。
またTVでは『ウルトラセブン』が放映され、大人も見れるSFであった。
しかし、こちらは完全に子供漫画SF…。
主演は本郷功次郎とクレジットされているが、実質主役は正夫とジムの二人の少年。
潜水艇でガメラと遊泳したり、ピンチに立ち向かったり、少年二人が大活躍!
その一方、異星人に囚われ、ガメラもコントロールされてしまう。
世界人類は絶体絶命の危機! 正夫とジムを犠牲に異星人の宇宙船を攻撃するか、子供二人の命は犠牲に出来ず降伏するか、二者択一!
国連が選んだのは、何と後者!
“人間一個の命は地球より重い”を地でいった!
子供向けSF漫画としてはハラハラドキドキ理想ストーリーかもしれないけど…、ねぇ…。
科学考証もリアリティーもナシ&無視! 有るのは荒唐無稽とツッコミで、沢山有り過ぎるのでいちいち挙げられません!
でもどうしても言いたいのは、バイラス星人の宇宙科学を一瞬で分かる宇宙的超天才の正夫&ジム!!
トカゲ、コウモリときて、今回の敵は“宇宙イカ”。その名は…
バイラス!
確かにその造形はユニークで印象的。闘い方も。
“ガメラ対バイラス”で特に記憶に残っているのが、バイラスが鋭利なナイフのような頭でガメラの土手っ腹を何度もグサッ、グサッ、グサッ!
それにしても、完全子供向けの作品でよく見せたもんだ…。
自分も昔見た時、ガメラ可哀想と思いつつ、少々残酷でもあり、ひょっとしたらそれが昭和ガメラを敬遠した理由かもしれない…。
『ガメラ対バルゴン』『ガメラ対ギャオス』はそれなりに特撮の醍醐味あり、複数の対決も繰り広げられたが、特撮は目に見えてショボくなり、対決も一回だけ。
それを補うかのように、バイラス星人の“ガメラ研究”として昭和ゴジラ後期シリーズでもやった禁じ手、過去作品の流用。これが70分の尺の内、15分~20分ほどを占めている。カラー作品なのに、突然白黒にも!
まあ、まだいい。が、この後の作品でも定番のようになり、いい加減飽きてくる。
また、音楽も似たような音楽が延々と。
でもそんな中で、遂に誕生! 昭和ガメラの名曲“ガメラマーチ”!
これも子供向けだが、改めて聴くと軽快で、嫌いじゃないんだなぁ。
これら質落ちの理由は分かり切っている。
大映の業績不振。
ガメラシリーズはヒットはしているものの、作られていく度にどんどん削減。
それが全てではないが、こういう特撮作品にはやはりどうしても欲しい。
本作でガメラはバイラスと闘っていたのではない。
ガメラが闘っていたもの。その名は…
低予算!
この年の春は他社の怪獣映画は本作しか公開されませんでした
怪獣映画代理戦争を大映のガメラは勝ち抜いたのです
しかし怪獣映画ブームは去りつつありました
怪獣ならテレビでウルトラセブンが1967年の10月から放映がスタートしていました
映画よりクォリティーの高いものがただで観れるのです
劇場に足を運んでくれる観客がどんどん減っていたのです
子供向けのクォリティーのダウンから大人は観なくなり、観客は子供中心となり、一層の低年齢化が進行していたのです
また同年1月からテレビ放映が始まり大人気になったゲゲゲの鬼太郎がもたらした妖怪ブームに人気が移りつつ有りました
本作と併映であった妖怪百物語もガメラと人気を二分するほどの予想以上の人気を獲得しました
本作の内容も大変なクォリティーダウンです
なにしろ大映の経営危機で本作にかける予算は前作ガメラ対ギャオスの三分の一になったのだそうです
ですから回想シーンとして過去3作のダイジェストを長々挿入するし、ガメラのダムや東京の破壊シーンは過去の映像の使い回しになっておりガッカリです
それでも本作は大ヒットしました
観てると面白いのです
湯浅監督の手腕は凄いです
子供達の喜ぶツボを押さえてあるのです
大人も子供向けと思って観れば耐えられるのです
冒頭の景気の良いガメラマーチはとにかく素敵です!
敵の宇宙船のデザイン、内部インテリアのデザイン性は垢抜けたもので大変にスタイリッシュでレベルが高いです
予算をかけて質感や照明のクォリティーをあげたなら素晴らしいものになったとおもいます
宇宙の三角柱状のシステムモジュールの入れ替えシーンも、そのシンプルさが未来のテクノロジーを感じさせるものでセンスがあります
2001年宇宙の旅の公開は本作の1ヵ月後ですが、ボーマン船長がHAL9000の透明の光素子ボードを抜くシーンを思わせます
バイラス星人の造形も素晴らしいです
ガメラとの戦いも斬新です
とくにガメラの腹がバイラスに深く何度も突き刺されるシーンは子供達には刺激が強すぎると思う程です
人間になりすましていた連中の頭が次々にとばされるシーンも刺激が強すぎると思います
今ならレーイティングが子供向けに出来ないと思います
それだけに当時の子供達には衝撃的なシーンで、それをものともせずに勝つガメラの強さと勝利のカタルシスが得られたのです
大人も防衛隊の司令部で国連安保理からの通達を受けるシーンで衝撃を受けると思います
人質に捕られた子供二人の命には代えられない
地球は降伏するというのです
もうビックリです
腰を抜かします
しかしこれ子供の怪獣映画だからでしょうか?
本作の9年後の1977年ハイジャック事件が海外で発生した時のことです
時の総理は「一人の生命は地球より重い」と述べて、身代金を支払い、「超法規的措置」として、刑務所に入っていた赤軍派のメンバーを釈放し、海外に逃亡させたのです
似てると思いませんか?
第二派の攻撃ではガメラの記憶を読み取り、コントロールしてしまう。
ガメラの記憶再生と称して、これまでの見どころを延々と流すのはいかがなものか。