北野武が構想に30年を費やして監督・脚本を手がけ、「本能寺の変」を題材に壮大なスケールで活写した戦国スペクタクル映画。武将や忍、芸人、農民らさまざまな人物の野望と策略が入り乱れる様を、バイオレンスと笑いを散りばめながら描き出す。天下統一を目指す織田信長は、毛利軍、武田軍、上杉軍、京都の寺社勢力と激しい攻防を繰り広げていた。そんな中、信長の家臣・荒木村重が謀反を起こして姿を消す。信長は明智光秀や羽柴秀吉ら家臣たちを集め、自身の跡目相続を餌に村重の捜索命令を下す。秀吉は弟・秀長や軍師・黒田官兵衛らとともに策を練り、元忍の芸人・曽呂利新左衛門に村重を探すよう指示。実は秀吉はこの騒動に乗じて信長と光秀を陥れ、自ら天下を獲ろうと狙っていた。北野監督がビートたけし名義で羽柴秀吉役を自ら務め、明智光秀を西島秀俊、織田信長を加瀬亮、黒田官兵衛を浅野忠信、羽柴秀長を大森南朋、秀吉に憧れる農民・難波茂助を中村獅童が演じる。
首評論(20)
寝た訳ではなく、しっかり最後まで見た。北野映画は、適当に見てても勝手に吸い込まれている事が多いが、今回はずっと上の空だった。
北野武監督、座頭市でバトルロワイヤルしてた。
◾️総論
自分には知識も教養もないのと、似たような背格好の男性が出てきて「この人は誰……?」となって、ワケわかんなかったなあというのが最初の印象でした。
たけしギャグの笑い処が分からなくって「なんで今変な行動したの?」となっているのも、また混乱に拍車をかけました。
エンタメというより、アートでした。
「座頭市」を思い出す箇所が多くありましたが、座頭市のようにエンタメにふっていません。自伝なのか…?と思うような作品こそ、価値の高いアートだと私は思っています。
北野武監督の色彩感覚が素晴らしいんですけど、生首からカニ🦀が出てくるところとか黄色の使い方とかすごいな〜と見て。あまりにも内容とキャラの関係性がわからず考察などを見て「あ、ああ〜」と気づくことが多く、それがたまらなく面白かったです。
◾️北野武監督としての作品
ホモショーシャルとして台頭していた昭和の芸能界。の、トップにいた北野武監督。代々歌舞伎一家だの、血のつながりなども重要視されていたでしょう。
そんな彼が、「百姓出身」の秀吉として、天下をとるまで…という役を演じていたことに気づいた時に、とても興奮しました。
時代や「北野武」という男を知れば知るほど、意味が深くなる作品だと思います。
もう一度見たいな
◾️首とは何か
身分の高い人らは仰々しく。百姓も友人を殺してまで手に入れて。それを後生大事に抱える。…しかし「首なんかどうでもいい。生死がどうなったかが重要だ」という言葉。最後にこの言葉を据え、蹴飛ばすシーンが素晴らしかったです。
みんなが命を削って首を取れ!首を斬れ!と叫んでいる戦国武将たち。そんな必死な彼らを嘲笑うかのようなラスト。
それは分かるけれど、同性愛の要素も要らなかったし織田信長以外のキャラが微妙。秀吉役の北野武がお付きの人との掛け合いで笑いを生み出そうとした台詞回しも、ひとっつも笑われへんし、キツいなぁと観ながら思った。
毎年見てる大河ドラマの方がよっぽどおもしろい。
何もこころに残るものがなかった。
どうせなら、道薫がテロップ最後にでて来るとか……
まず、最初に思ったこと。「音バン」で迫力出すのはなあ、、、画面で出さないと!迫力は!
信長と光秀は好演だったね。他にも光る演技はあった!
そして、信長の前で披露された能がまあ、素晴らしくって。もちろん、ほんの数場面なんだけどね。所作のせいなんだろうけど、所々「無重力感」が感じられて、すごいな、と思った。
全体的に「笑いどころ」を散りばめすぎかなあ。特にセリフぽくない、素のやり取りのところが結構「楽屋ネタ」風でさ、「大作」の風格が損なわれちゃったよね。
タイトルの「首」に関わるエピソードが後半なもんだから、ちょっとぞんざいになったかなあ。大事に大ごとにしておいてのあのラストならまあ、落ちるけど、そもそもこの映画で「落ち」は必要か、ってことだよね。
初期の「キタノ映画」にあった殺伐さやノワール感が最近作ではなりを潜めてて、「お茶目さ」を随所に出していく路線、うまく行ってないような気がする。確かにそういう「おふざけ感」は「ソナチネ」とかにもあったけど、あれはそう言う場面だからこそで、いわゆる「リアリティ」なんだよね。
それと必要以上に「男色感」を出しすぎなんじゃないかなあとも。そうだったのかもしれないけどさ、それを全面に出すリアリティ感はこの映画のテイストのメインなのかな?という疑問。
俳優たけしは結構頑張ってて、いい味出してだけど、実際の人間関係における年齢バランスはどうなの?ちょっと秀吉やるには老齢過ぎたんじゃないかなあ。
武士のカッコよくないところにフューチャーして、新たな一面をだそうとしたのかもだけどねえ。
あと、引きのアングルがあまりなくて「壮大さ」が感じられなかったのも物足りなかったかも。
原作、脚本、監督、編集とギャラが集中してるよねえ、、、、
次回作、あるのだろうか?ネタ的、年齢的に、、、