「探偵なふたり」シリーズのクォン・サンウが主演を務め、人気俳優とその相棒であるマネージャーの人生が入れ替わったことから巻き起こる騒動を描いたコメディドラマ。出演オファーが絶えないトップ俳優パク・ガンは、若手女優との一夜限りの情事を楽しむ華やかな独身生活を送っていた。クリスマスイブの夜、彼はひょんなことから、マネージャーにして唯一の友でもあるチョ・ユンと人生が入れ替わってしまう。新しい人生はマネージャー兼売れない俳優で、かつて互いの成功のために別れた元恋人スヒョンと結婚し、幼い双子の父親となっていた。一方、チョ・ユンは人気俳優として暮らすことになり……。Netflixドラマ「サイコだけど大丈夫」のオ・ジョンセがチョ・ユン、テレビドラマ「一度行ってきました」のイ・ミンジョンがスヒョンを演じた。
スイッチ 人生最高の贈り物評論(20)
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))
シネマート系列が大半なのかな…と思っていたら、それ+いくつかの映画館で、決して多くはないようです。
ストーリーとしては「他人の人生を生きる」という「入れ替えもの」であり、分類として考えればコメディということになろうと思います。この関係でもっぱら韓国で作られているとはいえ海外放映(要は日本もここに入る)を想定しており、歴史についてもかなりの配慮がある(いわゆる統治時代についてもネタとしては出るだけで映画としてはこれについて述べていない等)など、かなりの配慮はあります。
韓国映画あるあるのよくあるものが多く、ある程度韓国映画の知識(というより、韓国文化に関する知識)が求められてしまうのがどうしても厳しいかなといったところです。
気が付きにくいのですが、以下のようなところが気になったところです。
------------------------------------------
(減点0.2/「酢豚を食べよう」について)
・ 日本に中華料理があるように韓国にも中華料理があり、この「酢豚」と字幕に出るものは、韓国ではタンスユクと呼ばれるもので、漢字語(糖水肉)です。ただ、「日本で見る場合に」、これを「酢豚」と訳すのが良いのか…はかなり微妙なところがあります。
ただそうしないとどうしようもなくなるし(漢字語の糖水肉やタンスユクとだけ出しても理解ができない)、仕方がないかなと思える点もあります。
------------------------------------------
(減点なし/参考/日韓の「酢豚」の違い)
もともとは「酢豚」自体は日本の表現ですが(中華料理である点は間違いがないが、中国で「酢豚」では通じない)、漢字変換の問題があるので便宜上以下これを使用します。
日本においての「日本化された」酢豚は、一般に家庭料理として食べることは比較的少なく、日本式中華料理店やスーパーの総菜コーナー等で購入するのが普通かなと思います。この場合の「酢豚」というのは、一般的に日本に在住していると聞くことが多い「酢豚」と同じものです。つまり、肉や野菜に「あん」がかかっているものです。
一方、韓国においては漢字語「糖水肉」を持つように、これもまた「酢豚」というものですが、扱いが違います。つまり、韓国は日本よりも「テイクアウト」「デリバリー」が盛んに進んだ国であり、韓国の「酢豚」は注文が入るとお店が肉を揚げますが、それとは「別に」「あん」「だけ」が入ったカップやお皿が用意されこれらは分離されています。テイクアウトやデリバリーを想定するとこうしないとぐちゃぐちゃになってしまいます。このように「あん」が「分離されて」来ること自体が「日本においては」極めて少ないので(韓国式酢豚を注文すれば一応は可能。また、鶴橋などコリアタウンであえてお店で酢豚を置いている店は「韓国式酢豚」の意味でおいてあるのが通常)、ここで映画のように「肉ばかりが盛られている皿」と「あんだけがのっている皿」があるシーンだけで???な状態になります。
ここで終わるなら「テイクアウト・デリバリー文化が発達した日韓の差」で済むのですが、韓国ではここからもう一つ発展する点があり、ここに触れていない点で「この食事が何なのか」がよくわからない(ただし、あえて訳すと「酢豚」としか訳せない状態になるが、日本において一般的な日本語でいう「酢豚」とは全く異なる料理にはなる)のです。
上記のように「肉ばかりが盛られた皿」と「あんだけがある皿」がある状態では、「肉」の食べ方として、
・ 肉を「あん」に「つけて」食べる方法
・ 肉を「あん」に「かけて」食べる方法
…の2通りがあり、韓国においては「韓国式酢豚(タンスユク)の食べ方の対立」です。地域によっても個人によっても考え方は違います(コロナ事情は考慮しない。要はこの2つの食べ方の存在により、「しっとり肉」と「バリっと肉」派が存在することになることによります。
もっとも「取り皿」という考え方自体は存在しますので、これで食事自体が崩壊する(みんながおいしく食べられなくなるとか、食事で言い争いになって食卓が崩壊する等)ということはありませんが、この「2つの食べ方派が存在し、その両派の「争い」があること」自体は(もっとも、この「争い」というのも、日本においては「日本式酢豚」にパイナップルを入れるか入れないかとかという、「本人もわかっているネタ」の扱いと同水準でしかないのは当然のこと)この映画からではわからず、また映画の描写からあの「肉だけが盛られている皿」と「あんだけがある皿」で「酢豚」というのはかなり無理がある(このことは一定の知識がないとわからない)のは、ちょっと気になったところです(ただ「酢豚」以外に訳しようがないし、このことが問題になるのは、食べ方に「大きな差」が実際に論じるほど存在するような一部の料理に過ぎないし、それを「酢豚」としか訳しようもないという特殊な状況であることによる)。
クリスマス・イヴの日、2人で軽く飲みに行った席で、ふと昔一緒に受けたオーディションの話しになり朝目覚めると、そのオーディションの結果が異なった人生に変わっていたというストーリー。
最初は状況を受け入れられない男が、決して裕福ではないけれど幸せを感じたり、置かれた状況や出来ること、やるべきことに向きあって変化していく様や心の変化がありがちなはなしではあるけれどとても良く面白かった。
本作の面白さは子どもと妻とのかけあいにある気がする。目が覚めて、過去に別の選択をした自分になった後、結婚していた可愛い彼女はとても怖い鬼嫁になっていたという流れは、わかっていても笑える。いや、あの妻も怖いだけではないし、面倒そうに見えた子どもたちもなんだかんだでかわいくなっていく。あぁ、やはり王道の展開。でも、これが元に戻るということは…、なんてことを考えると切なくなるのだが、そこもうまいこと着地させた感があって安心した。
それにしてもクォン・サンウってこうしたラブコメやファミリーコメディが本当によく似合う。本作も観ようと思った動機の一番はクォン・サンウ主演のコメディだから。あんなに鍛え上げられた体なのにこんなコメディを演じる面白さもあったりして。
また、こんなクォン・サンウの主演作があったら観に行ってしまうのだろう。間違いない。
違う選択をしていたら今の自分ではなくなっているのだろうか。
今の自分が知っているのは、あのときにその選択をした自分であって、別の選択をした人生はわからない。
自分はその選択が変わっていれば満足できたのか。選択が変わっていたとしても、別のことで不満を垂れているのではないだろうか。
この映画のように、自分のもう一つの人生というものを体験する事ができたならば、
それは確かにかけがえのない贈り物となるのではないか。
今の自分に満足できていないから、過去を振り返って、「違う運命であれば、自分は...」
と思う。
しかし、別の選択をした人生というものを知ることができれば、自分は結局変わらないのか、それとももっと幸せだと感じられる何かを得られるのかがわかるかもしれない。
ただ、自分に過去はなく、今しかない。
満足する生き方をしていくためには、今の自分が行動しなければならない。
クリスマスイブの夜、クリスマスツリー型の行灯タクシーに乗ったら別の人間に入れ替わっちゃった話。
無名俳優から売れっ子俳優にまで上り詰めた独り身のパク・ガン、イブの夜の仕事終わりにマネージャーだけど昔からの友と、飲み屋へ…その帰りにタクシーを拾い乗り込み…、タクシードライバーから「俳優で成功して幸せ?」と聞かれるが、幸せとは答えられない…気づいて起きると別れた元カノ(スヒョン)が妻で子供が2人の家族持ちになっちゃったパク・ガンのストーリー。
めちゃくちゃ面白かった!
今では見なくなった昭和の大スターバリの立ち振舞いなパク・ガン、とりあえず面白シーンは全て笑わせてもらいました(笑)
私は耐えた方だけど他の鑑賞者の方達も声だして笑ってましたね!(笑)
金や地位を手に入れても幸せとは言えなかったパク・ガンだったけど1年という短い期間だけ家族が出来、過ごし「幸せとは何か?」と気づけたイブの夜、一年前に乗ったタクシーに再会辺りから泣けたな~
元の生活に戻りスヒョンに会いに個展?へ、あの「家の絵」から住んでた家の伏線にはまた涙。私的には本作大穴でした!面白かった!!
スヒョン役の子めちゃくちゃ可愛い~