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VORTEX ヴォルテックス評論(20)
事実を超えた事実というか。
ギャスパーノエとはいえ、このテーマを撮ったらそんなに打ち手はないはずと高を括っていたものの、徹底的にリアリティで、ずーっとヒリヒリした感覚が付きまとう。
互いに互いの行動を知らないからこそ、ダブルスクリーンにすることで赤裸々にその一部始終を垣間見ることができる。
両親のことを思い続けた息子の納骨場での台詞「家は生きている人が住む場所」だと、その息子に伝えたシーンにギャスパーノエの残酷さが滲み出る。
もしどちらかが健常なら起こらなかった悲劇だ。
こういう映画を観る度、運命には逆らえ無いのか、明日は我身かもと感じてしまう。
それからこの監督の映画は観ないようにしていたのだが、何年か前「CLIMAXクライマックス」を観たとき、単純に「踊りすげー!!」と思い(映画も面白かった)、個人的にノエ解禁しようと
で、最新作「ヴォルテックス」
老いた両親の日常系といいますか、ダリオ・アルジェントが熱演しております
母親役の女優さんもアルツハイマーを好演
2時間超えだが、なんだかんだ見入ってしまう映画
二分割画面がノエ〜て感じ オワリ!
そっちの方が興味あるんかーい。
フランス語はわからないので、細かい台詞回し等の良し悪しは分からないけど、意外とちゃんとしてたような気がするアルジェント。
やっぱりどうしても画面分割の構図に目が入ってしまう。
対峙して左右がほぼ繋がっているような撮り方の時もあれば、「いないうちにこんなことしてた」という同時進行を目的にしている時もあり。一番ギョッとしたのは寝てる向きと倒れた向きを同じ構図にした場面。病気の妻を支える健気な夫「ではない」のもあって、勝手にハラハラしてしまった。
最後の部屋が片付けられていくとこ好き…ではないが何かこう亡骸が土にかえっていくような印象を持った。フランスは火葬なんですね。