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AVA エヴァ評論(9)
近年このトレンドが女優陣に波及しており、シャーリーズ・セロンの「アトミック・ブロンド」、ジェニファー・ガーナーの「ライリー・ノース 復讐の女神」と続いた。「ゼロ・ダーク・サーティ」でゴールデングローブ主演女優賞、アカデミー賞ノミネートも2度のジェシカ・チャステインが40代前半で主演した本作「AVA エヴァ」も、そうした流れに沿って企画されたのは間違いない。
チャステインが演じるエヴァは、要人などの殺害を請け負い国際的に暗躍する裏組織の暗殺者。格闘と銃の扱いに卓越し、美貌を活かして標的の懐に入るのも得意だが、殺す前の相手に狙われる理由を尋ねる行為が組織の幹部サイモンから裏切りと見なされる。久しぶりに帰郷したボストンでも、家族との確執、元恋人が闇賭場で膨らませた高額の借金など問題山積。組織から狙われ、私生活でも追い詰められるエヴァに活路は開けるか…。
目玉の格闘とガンアクションでチャステインは十分健闘したと思う。暗殺者やスパイのジャンルによく出演するジョン・マルコビッチ、コリン・ファレルらの起用も雰囲気を盛り上げる。「ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー」で主人公の1人といい感じになったダイアナ・シルヴァーズ(ファレルが演じるサイモンの娘役)にも少しアクション場面があって嬉しい。
ただし本作、当初監督兼脚本の予定だったマシュー・ニュートンがDVなどで非難を浴びて降板し、チャステイン出演作「ヘルプ 心がつなぐストーリー」のテイト・テイラー監督が後任になるという紆余曲折があった。脚本には一応ニュートンの名前が残っているが、おそらく相当な書き直しがあったのだろう、暗殺者としてのパートと家族とのパートは継ぎはぎした感じで流れが悪く、散漫な印象を受ける。ほかにも、その話をするためだけにわざわざ外国行く必要ある?(電話でよくない?)とか、それほどの立場の人物がなぜ危険な現場に単身乗り込む?など、疑問を抱かせる展開も若干ある。ストーリーが締まっていたらチャステインのアクションももっと映えたはずだ。
You know. Croesus once said, "Count no man happy until the end
is known."
古代アテナイのお話なんて、ラインに二度も登場させる感覚や趣味が分からないのと同時にこの映画のシナリオの不完全さがアクションにも現れ、能書きが多いくて目標を始末するまでに時間をかけ過ぎなところや高級ホテルなのに何故か監視カメラを無視した設定は、随所に出てくるって、はぁ~?
言っちゃあ悪いかもしれないけど冒頭のパツキンのショート・ウィッグに赤のリップスって、キャメロン・ディアスにヘンシィ~ンってか?
ベッソン監督もbox-office bombを製作した後や長らくヒットを飛ばせずに財政破綻した自ら立ち上げた映画製作会社の利益を少しでも補てんすべく、女性ものアサシンの映画を何年かにいっぺん、品を変え、人を変え、安上がりの利益誘導をしたりしているけど、彼はその点では、才能を発揮しているのは既知のこと。
嫌な言い方として、映画『ヘルプ』を作ったからって、畑違いに手を出すと大やけどを負うことを証明した映画と言える。
この映画が一番におかしなところは、組織としたら、まず最初に彼女の家族を抹殺して、 アバかエイバか知らないけれども彼女に精神的ダメージを与えて、少しでも戦力の浪費を防ぐのが必要なんじゃないかと思ってしまう。
まぁ~、アトミック・ブロンドがピンヒールを履いたまま大の男を投げ飛ばすファンタジーよりはましかも?
アクションもくどくなくていい感じ。
しっとりとしたシーンも、良いテンポ。
気持ち良く見られる映画です。
他の女性アサシンものと比べると、人間的な弱さもあり、それをテンポ良く、くどくなく表現しているので、それがまた心地良い。
スカッと観られる映画です。
これも好きなジャンルの作品で面白かった。
まあ割とシンプルで余計な事考えずに観られるのもいい。
ジェシカ・チャスティンは、アクションのイメージがないから、どうかと思ったけど悪くはなかった。
欲を言えば、後引く感じがあれば良かった。