《ばるぼら》手塚治虫が1970年代に発表した大人向け漫画「ばるぼら」を、稲垣吾郎と二階堂ふみのダブル主演で初映像化した実写作品。手塚治虫の実子である手塚眞監督とウォン・カーウァイ作品で知られる撮影監督クリストファー・ドイルがタッグを組み、愛と狂気の寓話を美しい映像で描き出す。
異常性欲に悩まされている耽美派の人気小説家・美倉洋介は、新宿駅の片隅で、酔っ払ったホームレスのような少女ばるぼらと出会い、自宅に連れて帰る。大酒飲みで自堕落なばるぼらだが、美倉は彼女に奇妙な魅力を感じ追い出すことができない。
彼女を近くに置いておくと不思議と美倉の手は動き出し、新たな小説を創造する意欲が沸き起こるのだ。あたかも芸術家を守るミューズのような存在のばるぼらだったが……。
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ばるぼら評論(7)
11月20日公開ということでワクワクしています。
手塚治虫原作、その息子手塚眞監督、クリストファー・ドイル撮影というだけで期待MAX。
手塚治虫漫画の世界観は、少し大人向けの作品では人間を超越した処にあるように感じます。その中でも彼自身を投影させているような、作家として苦しんでいる様子が伺える作品だと思います。そして、手塚眞監督の作品は芸術的で観念的だと思います。現実なのか幻なのか、いつの時代なのかも関係ない普遍的なものを描いているように感じます。
稲恒吾郎は小説家美倉洋介そのもの。彼は孤独と苦悩を内包した役がとてもよく似合います。そして二階堂ふみはばるぼらそのもの。中性的にも色っぽくも変幻自在です。そして何より2人の美しいシーン。クリストファー・ドイルが撮影しただけあり、しっとりと幻のような何処だかわからない世界が広がります。
何度も観たいと思います。
チラッとアリバイ作り程度の裸身かと思いきや、とんでもない、とんでもない。ガッツリです。エロティシズムと言う観点からは、物足りねーよ!と言うムキもおられましょうが、体はってるわよ、女優魂ぶつけとるがな、な感じはヒシヒシと伝わって来ました。
遠い過去に原作既読も完全に忘却済み。手塚ワールドの再現性の高さを感じる冒頭部。ばるぼらは美倉の深層心理が作り上げた幻影、的な描写は、1970年代の「汚れた都会」が如く撮られた東京の風景に溶け込む中盤。軽い狂気とオカルトにたじろぎながら、最終章に突入。美倉は「ばるぼら」を書き上げ、深層を吐露した事を示唆しながら終わります。
都会の汚物とは、三倉自身の心の底に沈んだ深層心理の事なんかいねぇ…
音楽は橋本一子さんで完全にジャズ。ベースは私が勝手に師と仰ぐ伊野信義さん。個人的には大好きどした。
手塚作品の中で、何故に、よりによって、ばるぼら?ってのは有りますが、稲垣吾郎さん、二階堂ふみさんともに、難しい役どころにガッツリ取り組んでやり切った感があって良かったです。